目次
① 平成30年の念頭に寄せて … 道又顕
② 地域支援部の「これまで」と「これから」… 三浦晃
③◆つぶやきコーナー◆
「35年の作業療法に感謝!宮城県作業療法士会に感謝!!感謝!!!」… 本地光弘
①平成30年の念頭に寄せて
会長 道又 顕
新年明けましておめでとうございます。遅い新年のご挨拶となりますが、旧年中は会員の皆様に多大なご協力をいただき誠にありがとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。
平成30年は診療報酬と介護報酬の同時改定となります。診療報酬は2年、介護報酬は3年に1度の改正となり、今年は6年に1度の同時改正となります。この文章を書いている時はまだ大きな声で色々とは言えませんが、このニュースが出る頃にはリハビリテーションに関する内容も少しずつ具体的に分かってくると思います。また、障害福祉サービス等の報酬の改定もあり、社会保障費の抑制の程度が気になります。県士会としては4月早々にも会員向けの報酬改定についての研修会を開催する予定です。
昨年は作業療法フェスタを開催しました。広く県民に作業療法を知ってもらう一つのきっかけとして今年度も開催する予定です。また、地域包括ケアシステムへの取り組みに対しても昨年度と同様に今年度も積極的に取り組んでいきたいと考えております。今後とも会員の皆様のご協力とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
② 地域支援部の「これまで」と「これから」
企画管理局 地域支援部 部長 三浦 晃
ずいぶんとカッコつけた文面で顔が赤くなった。でも、そんな恥ずかしさとともに、地域支援部のメンバーに“ありがとう!”を、そして、あの頃の自分に“ちゃんとぶれずにやってるぞ!”と声を掛けていた。…このたび、地域支援部の部長として執筆依頼をいただき、以前に書いた県士会ニュース(Vol.139)を読み返したときの心の中である。
平成27年度の半ば、当士会において、県内の各市町村における地域包括ケアシステム構築に貢献すべく、地域支援班が発足した。平成28年度を迎えるにあたってメンバーを募り、「A:地域包括ケアシステムおよび地域ケア会議参画推進チーム」「B:介護予防・日常生活支援総合事業参画推進チーム」「C:認知症の人の生活支援参画推進チーム」「D:生活行為向上マネジメント推進チーム」の4チーム制のもと、新人層からベテラン層までの総勢45名で各々の活動に取り組んだ。平成29年度からは地域支援部となり、引き続き4チーム体制のもとに、地域包括ケアシステムに貢献できる人材育成のための研修会体系として「研修会システム」を創設し、1年がかりで実施した。また、この人材育成と並行して各市町村の地域支援事業に作業療法ニーズを作るべくPR活動に取り組んできた。もっとも大きな試みは、模擬的な自立支援型地域ケア会議を組み込んだ研修会に、各市町村の地域ケア会議ご担当者の参加を呼びかけたことだった。結果的に、県内の35市町村中、17市町村に加え、1保健福祉事務所の計20名の参加が得られ、行政の方々と一緒に、事例を通して自立支援に資するアセスメント、具体的な目標と支援策の検討、一般の方々にも分かりやすい表現での助言練習などを行った。
こうした一連の取り組みを、「作業療法が必要とされる地域づくり」という平成28-29年度の2ヶ年戦略のタスクのもとに展開してきた。その一つの成果といえる市町村の声が私のもとに届いている。
「先日参加させていただいた作業療法士の方々の研修内容がとても実務的で、多職種でともに重度化予防に向けた意識の共有化が図れると感じました。そこで、○○○(市町村名)では、重度化防止、自立支援に関する地域ケア会議を展開していくにあたり、自立支援の視点を学ぶ研修会を企画する運びとなりました。つきましては、この研修会の講師としてお迎えしたく…」
「今後、自立支援型地域ケア会議の運営にあたり、定期的・継続的にアドバイザーとしてご協力いただきたく…」
「先日の研修会で作業療法士の思考や支援方法を知ることができました。地域包括ケアシステム構築のために、前向きにご尽力されている姿や講師陣の大変分かりやすい講義を拝聴し、日々、自己研鑽と努力を重ねていらっしゃることを改めて知り、大変感銘を受けるとともに仕事の活力になりました…」
…部員一人ひとりが公私に忙しく、ときに背丈以上の役割も課せられる中で、よりよい研修会にしよう、よりよい講義にしようと、ファミレスなどで自主的に打ち合わせする姿も見てきた。まるで国家試験前の学生のように、みんなで一つのことに向かって取り組む姿に胸を打たれた。この2年間、地域支援部員・地域支援協力員が時間と労力を積み重ねてきたこと、そこに研修会受講者の作業療法への想いが加わり、こうした成果に結びついたと捉えている。改めてこの場を借りて、関係した一人ひとりに最大級の「ありがとう!」を伝えたい。それと同時に、部長の責務として今後の展望にも触れておかなければならない。当時の県士会ニュース(Vol.139)で私はこんなことを綴っていた。
「作業療法士以外の方々が、“作業療法”を理解し、自立支援の手段として求めるに至った背景は何だろう?まずは、この現象を紐解くことが大事だ。きっと、“作業療法”を実践できる作業療法士と出逢い、その効果を実感したからではないだろうか。言葉では伝わりにくい“作業療法”の魅力を伝えるには、実際に“作業療法”に触れていただき、その効果を実感してもらうことが大事ではないだろうか。地域包括ケアシステムの構築に作業療法士が貢献していくには、何にも増して、より多くの方々に“作業療法”に触れてもらうこと。これに尽きるのではないだろうか」
…この考えは1ミリも変わってはいないが、次はこの考えを積極的に実践し、形に結びつけていく取り組みが必要である。昨今の施策・制度に目を移すと、「活動と参加」がキーワードとなっていることで、自ずと作業療法ニーズが作られたといっていい。しかしながら、全国や県内を見渡すと、作業療法ニーズが作られながらも作業療法士の参画が驚くほど少ない。つまり、作業療法ニーズが作業療法“士”ニーズに繋がっていないという課題が浮き彫りになっている。こうした背景を受け、「作業療法“士”が必要とされる地域づくり」「作業療法“士”が各市町村の自立支援のシステム作りに参画すること」を、地域支援部における平成30-31年度の2ヶ年の戦略のタスクとしたい。
先輩作業療法士の方々が作ってきた道を今私たちが歩いているように、これからの作業療法士の道を作っていくために、地域支援部のみならず、士会員一人ひとりの力を少しずつお借りしながら取り組んでいきたいと思っている。「どうかこれからも皆様の力を貸してください!」
③ ◆つぶやきコーナー◆
「35年間の作業療法に感謝!宮城県作業療法士会に感謝!!感謝!!!」
東北労災病院 本地 光弘
昨年の秋頃突然、メールにて広報部の担当者から県士会ニュース145号つぶやきコーナーへの原稿依頼がありました。そこで2018年(平成30年)3月31日もって現職場を定年退職する旨を伝え出来れば次の146号で何か「つぶやき」ますということで今回のこのコーナー参上です。
私は、1983年(昭和58年)4月1日労働福祉事業団東北労災病院入職。宮城県作業療法士会には、7名の同期ともに1年前の1982年(昭和57年)に発足(会員数17名)したばかりの組織の一員となりました。会員数が少なかったこともあり全員が何かの役割(編集部、広報部、学術部、事務局)を得て県士会活動に参画所属していました。現在県士会会員数1000名に届こうとしています。今は、限られた会員の方々がたいへん頑張って宮城県作業療法士会を引っ張ってくれています。しかしみなさん。国家資格のある自分達の職能団体である宮城県作業療法士会の一会員として何らかの活動に参画し更に宮城県作業療法士会を盛り上げていきましょう!
宮城県作業療法士会に入会時、私の上司が県士会事務局長職で自然の成り行きで事務局員となり会計担当をいつの間にかさせて頂き大先輩の作業療法士の先生方と行動を共にさせて頂きました。大変たいへん名誉なことでしたし勉強になり感謝しております。それから、理事(広報部長、事務局長、副会長)と監事を歴任させて頂き約30年間役員を務めさせて頂きました。お陰様で宮城県作業療法士会からの推薦により、2011年(平成23年)には日本作業療法士協会表彰。2016年(平成28年)日本作業療法士協会設立50周年では、厚生労働大臣表彰(作業療法業務功労者)を頂きました。宮城県作業療法士会のみなさまには、心より感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
話が変わりますが、昨年11月おじいちゃんになりました。孫っていいですね。自分の子供の子育ての時は、余裕が無く色々な変化(成長)を見逃していました。今回、孫をよく観察出来ているって感じです。成長って素晴らしいと思います。可愛いですね。これから老け込んでいく私は、定年後も毎日ではないですが作業療法士としての仕事をしながら今までの様に人に支えていただきながら感謝の気持ちをもってこれからの人生を全う出来ればと思っております。
編集後記
もうすぐ平成29年度が終わろうとしています。今年度は私にとっていろんな出来事があった1年でした。作業療法士として7年、その中で見えてきた課題に挑戦する良い転機となる出来事もありました。新たに取り組みたいことも見えてきました。この機会を無駄にせず、いろんなことに挑戦していきたいと思います。また、この1年間、私が最も大事にしてきた趣味を我慢してきました。やっぱり我慢のし過ぎは駄目ですね・・・来年度は趣味の活動を復活する予定です!これからは新年度に向けてますます忙しくなる時期になるので、皆さんも体調管理はしっかりとして、息抜きもしつつ、仕事もプライベートも充実した日々をお過ごしください。 佐藤美有紀