宮城県作業療法士会

お知らせ

県士会ニュース vol.169.2024.4.6

2024.04.06
  • 「通いの場に参画している人の話を聞いてみよう!」R5年度通いの場参画者間の情報交換会 開催報告

宮城県作業療法士会 渉外部総合事業班 佐藤里美

 R6年3月6日、宮城県作業療法士会 渉外部 総合事業班主催にて、「R5年度 通いの場に参画した作業療法士間での情報交換会」を開催いたしました。また、参画経験がない会員が通いの場の雰囲気や作業療法士が地域でどのような取り組みをしているのか、実際に聞いて知っていただける機会として、「通いの場に参画している人の話を聞いてみよう!」という一般聴講枠を設けて開催いたしました。今回は、開催当日の内容や雰囲気、通いの場についてのご紹介をさせていただきます。

 そもそも「通いの場」とは?
 通いの場は、高齢者をはじめとした地域住民が主体となり、気軽に集い、一緒に内容を企画し、さまざまな人との交流を通じ、生きがいづくりや仲間の輪を広げる場所です。最近では、介護予防やフレイル予防を目的とした活動を取り入れる団体も多く、その一環として、リハビリテーション専門職や健康運動指導士などの派遣事業を活用し、各団体の機能を強化する取り組みが増えています。宮城県では、主に宮城県リハビリテーション専門職協会を経由して当士会に派遣依頼が来ており、現在、仙台市、多賀城市、松島町からの依頼を毎年いただいております。派遣依頼数は年々増加傾向にあり、令和5年度の派遣者数は16名となっております。

多賀城市の通いの場の様子

情報交換会の様子
 情報交換会当日は、今年度通いの場へ参画されたOT12名(写真メンバー)、参画者の話を聞きに来てくださったOT2名の計14名で開催いたしました。参画者の中には、情報交換会開催後に参画予定の方、残念ながら先方の都合により参画が叶わなかった方もいらっしゃり、今後の参画に向けてイメージをつけて頂く機会にもなりました。

 内容としては、松島町、多賀城市、仙台市のエリア毎のこれまでの簡単な経過や傾向の確認、各団体からの依頼内容、事前の準備や先方とのやりとり、実際に参画して行った内容などを一人一人から共有していただきました。「運動方法を教えてほしい」という依頼が多いこの事業の中で、作業療法士の視点から暮らしをより良くする視点を伝える工夫を、みなさん普段の臨床での経験等も活かして発揮されていることがわかり、非常に有益な情報交換の場となりました。
通いの場へ実際に参画してみてよかったこと・得られたこと、難しいと感じたことについては以下のようなコメントが聞かれました。
◆「参画してみてよかったこと・得られたこと」
・地域が求めていることを理解、実感する機会となった
・インフォーマルな資源を知ることができ、退院後に紹介する資源としての引き出しが増えた
・臨床と生活の結びつきについて考える機会になった
・資料作成が大変だったが、知識の幅を広げられた
・退院先のイメージがつきやすくなり、本務に活用できると感じた
・一対多の集団の動き方の視点が広がった
・地域特性を理解することができた
◆「難しかったこと」
・通いの場を運営している代表者と包括、OTとの意向のすり合わせに難しさを感じた
・参加者についての情報が、事前情報と実際との相違があり、臨機応変な対応を要した
・参画時に提供した内容がどうだったか、その後生かされているのか、開催後の様子、フィードバックを得る機会がないので、自分が行った内容の判断が難しいと感じた
・講義内容の伝え方に難しさを感じた
・人前で話すのが苦手なので緊張した
・資料作りがやや大変だった


今後の展望
 渉外部では、士会員の皆様に通いの場への興味関心を持っていただける機会や、初めてでも安心して参画できる様にサポート体制の構築、参画後の情報交換機会等にも力を入れております。
具体的には以下のような取り組みを行っております。
① 新規参画者向けの事前オリエンテーションの開催(部局連携室・教育部・渉外部共催)
② 若手OTへの通いの場同行サポート
③ 通いの場支援見学機会設定
④ 通いの場へ参画者間の情報交換会(本会)
 今回の情報交換会でも、「是非、職場の後輩を見学に同行させてほしい」「資料作成の参考になるようなフォーマットがあると助かる」といったご意見もいただきましたので、引き続き皆様で有益な情報を共有できるような仕組みづくりを行って参ります。

※渉外部では、毎年年初に『地域支援事業参画希望アンケート』を実施しております。こちらにご入力の方から優先的に参画のお声がけをさせていただいております。次年度も準備が整い次第、公式LINEやメールにてアンケート入力のご案内をいたしますので、ご興味ある方は是非、アンケートへのご入力をよろしくお願いいたします!

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