事業部 高橋麻理
宮城県作業療法士会の事業部で、よへえぬまプレーパークを行っています。そのご紹介をさせていただきます。
1.プレーパークを始めた経緯(課題)
これまで、室内を中心に、医療や福祉、教育分野での作業療法を行ってきましたが、コロナ禍となり、自然豊かな屋外にて子どもが遊べる環境をつくっていく必要性を強く感じ、行う中で、その重要性を実感しました。子ども達は自然の恵みに魅了され、アイディアを無限に浮かべて遊び込みます.閃きも、考える力も、行う力も、コミュニケーションの力も、ドキドキ・ワクワク・ドッキリ‥心の動きも、子ども達は遊ぶことで自然と自分自身をしなやかに成長させていきます。今の子ども達は、“させられる”ではなく、ゲーム等に“遊ばれる”でも無く、どれだけ遊べる機会を持てているでしょうか。また、様々な人と出会い、関わることで、子ども達は様々な気づきを得、コミュニケーションをとる力を学んでいきますが、見知らぬ人と関わることの難しい時代です。遊ぶことを周囲の環境に制限され、また、繋がりが希薄となった社会で家族の大変さが増した結果、保育園や学校、学童保育等で、多くの子ども達の心や体へ影響が出ていることを感じてきました。また、生きにくさを感じる大人達にも出会ってきました。その他、障害や個性のある子どもへのいじめや、障害を持つ子どもや兄弟を公園等へ連れて行く難しさ、学校へ行くことが辛い子ども達に合う生活の場の不足と家族の悩み、コロナ禍固く外出を自粛する家庭等の課題を感じていました。これ等の解決に向けて最適と感じたのがプレーパーク(冒険遊び場)でした.
同じ思いの家族と共にR3年10月から宮城野区の与兵衛沼公園でプレーパークを始めました。初めは月に1回、日曜日の開催でしたが、R4年9月から水曜日も増やし、月に2回で開催し始めました。そして、R5年4月から日曜日のみ、宮城県作業療法士会の事業部主催で開催させていただいております。
2.プレーパーク(冒険遊び場)とは?
プレーパークにはプレーリーダーがおり,多面的な視点から環境を設定し,基本的には「子どもの興味を引き出し,活き活き遊べる環境づくり」を行うと共に,地域の人と人を繋ぎます.プレーリーダーは子ども・大人全ての人の気持ち・個性を大切に,適度な距離感で関わります.「やりたいことを自由にやっていいよ」と声を掛け,とても危険な時以外は禁止せず,あまり指示をしません.子ども達はリスクへ挑戦して自分自身を成長させていきます。なるべく怪我をしないように関わりますが、子ども達の「やりたい!」という遊び心を奪わないようにしています。その関わりが公園を訪れた保護者や地域の大人へ伝わり,また他の人へと伝染していきます。プレーパークは誰でも参加でき、障害を持つ子どもも,海外ルーツの子どもも,学校が合わない子どもも、赤ちゃんも,おじいちゃん・おばあちゃんも、散歩に来る動物も…様々な方が程良い距離間で関わり、自然と一緒に楽しく遊ぶ姿をよく目にします。一人一人が好きなこと、得意なことを行ったり、ただ居るだけでも、いつの間にか誰かの興味をそそったり、誰かを喜ばせたり、お互いが嬉しい気持ちとなって、煌めきが生まれていきます。
3.今後の展望
プレーパークでは、インクルーシブな場を目指していますが、障害を持つ方や生きにくさを抱える方は障害の施設・学校以外の所へ踏み出しにくい現状があります。OTは普段からそのような方々と関わりを多く持っているため、橋渡しをしやすいように思います。多くの作業療法士がニーズのある方に参加を呼びかけることで、より多くの方の生活に煌めきが生まれていけば…と願っています。また、学生さんや様々な大人の方にもご参加いただき、各々の生活(家庭、医療・福祉・教育施設等)へ、一人一人の思いを大切にすることや、遊び心(作業)等を持ち帰ってもらい、そのような社会が広がれば‥と思っています。
このような思いで、自分自身が楽しみながら、プレーパークを行っています。
情報は、宮城県作業療法士会のInstagram【miyagiot】に掲載していますので、ぜひご覧ください。 皆さんのお越しをお待ちしています!