宮城県作業療法士会

お知らせ

県士会ニュース vol.149 2019.3.14

2019.03.14

目次

① 運転と作業療法委員会の紹介 … 菅野俊一郎
② 研修会開催報告:How to 認定審査会~認定からサービスを受けるまで~ … 畑中一枝

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①運転と作業療法委員会の紹介

特設委員会 運転と作業療法 委員長 菅野俊一郎

 「また運転がしたいんだけどどうしたらいい?」
 患者さんや利用者さんからこんな希望を投げかけられるセラピストは少なくないのではないでしょうか?
 近年若年の脳卒中発症患者もみられ、日常生活動作の自立だけではなく、復職や社会復帰に対してのアプローチも必要となっています。その一部分として自動車運転再開に向けた関わりがあります。
 障害者の自動車運転において転機となったのは平成13年の道路交通法改正です。この13年改正では障害者に関わる絶対的欠格事由が廃止となり、一定の病気に罹患しても臨時の適性相談を行うことで自動車運転再開が可能となりました。道路交通法第33条の2の3では免許の拒否又は保留の事由となる病気として『自動車運転等の安全な運転に必要な認知、予測、判断又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなるおそれがある症状を呈する病気』と規定されており、脳卒中患者の場合はこれに該当します。一定の症状がみられている患者・利用者が運転再開する場合は臨時の適性相談を受けてもらう必要があります。
 臨時適性相談では公安委員会の面接と共に医学的情報収集として主治医に診断書を依頼し、その内容を加味して判断する場合があります。しかしながら、運転再開ができると判断する統一見解はみられていないため各医師はどのように判断し、診断書を記載するとよいか悩む場合があります。その中でセラピストができることとして診断書記載の根拠となる評価を行い、情報提供することが挙げられます。
 宮城県作業療法士会では2017年10月に特設委員会として運転と作業療法委員会を設立しました。委員会が立ち上がった背景には日本作業療法士協会に運転と作業療法委員会が設立され、各都道府県に協力者を立てて取り組みを開始したことが挙げられます。この取り組みの中で宮城県作業療法士会としても取り組みを強化するため特設委員を設立し、活動を開始しました。
 宮城県作業療法士会運転と作業療法の委員は県内の回復期病棟を持つ病院施設から合計20名ほど参加しています。参加委員の地域として北は気仙沼、栗原方面、東は石巻方面、南は岩沼方面から委員が参加しており、2017年10月時点で実車評価を含めた取り組みを行っている施設は4施設となっています。
 設立初年度である2017年度は日本作業療法士協会の運転と作業療法委員会の委員長を務め、日本の自動車運転支援の第一人者である藤田佳男先生を講師に招き研修会を開催しました。県内外から約50名の参加者が集まり、自動車運転支援の流れや評価する際のポイントなどを学びました。
 2018年度は日本作業療法士協会の事業である三者協議を行いました。三者協議とは自動車運転支援に関わる、運転免許センター・指定教習所協会・宮城県作業療法士会が集まりそれぞれの取り組みや課題を共有する場を設けるという趣旨で開催しました。

 今後も関係機関と連携を取りつつ、活動を行っていきたいと思います。
 自動車運転支援に興味がある方は是非一緒に活動していきましょう。

 
 

②研修会開催報告 How to 認定審査会 ~認定からサービスを受けるまで~

宮城県作業療法士会事務局長 仙台エコー医療療育センター畑中一枝

 

<主 催>
宮城県作業療法士会事務局 渉外部
<開催日>
平成30年10月13日(土)13:30~16:15
<会 場>
宮城県作業療法士会事務所
<参加数> 21名
(講師、アドバイザー含む)
how to

<内 容>
 宮城県作業療法士会では、宮城県内の各市町村からの依頼を受けて、「介護認定審査会(介護保険法)」「障害支援区分認定審査会(障害者総合支援法)」の審査員として会員の推薦を行っています。現在の実績として、6市に介護認定審査員29名、障害支援区分認定審査員12名の会員を推薦させていただき、社会貢献の一環として活躍していただいています。
 各審査員については任期が2~3年となっており、次年度が任期切り替えとなる市町村がほとんどのため、今年度新たな会員の推薦のため希望登録を募っています。その一環として、認定審査会の実際を知っていただくために、各市町村の現役認定審査委員より話を聞く研修会として、以下の内容で企画いたしました。
 県士会での認定審査委員推薦ってどういうしくみなの?
~認定審査委員推薦の流れの説明と現状報告
 認定審査会って誰が何をするの? 
~現役審査員による「介護保険制度」及び「障害者総合支援法」における認定審査制度の説明および介護認定審査会の流れDVD視聴
 ぶっちゃけ実際どうなの? 「認定審査委員に聞いてみよう」
 ~参加者からの質問にも加え、現役審査員同士での情報交換
こじんまりとした研修会ではありましたが、お互いの顔を合わせながらの実務的な意見交換、情報交換が行え、有意義な時間でした。

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