目次
① 教育部から生涯教育制度について … 紀國谷恵子
② 新任部長紹介 … 熊谷竜太
③ 福利部主催会員向け「肩こり・腰痛セミナー」を実施しました … 半沢正道
④ 第50回日本作業療法学会に行ってきました … 三浦南美
⑤ ◆職場紹介◆ 南浜中央病院 … 高野恭平
⑥ ◆つぶやきコーナー◆ 老いの構え … 山根佳子
① 教育部から生涯教育制度について
-OT協会生涯教育制度を活用しキャリアアップをめざそう!-
教育部長 紀國谷恵子
みなさん、こんにちは。教育部の紀國谷です。いつも県士会活動にご協力いただきましてありがとうございます。日々みなさんは作業療法士として、それぞれの役割の中で対象者の意味ある作業をめざし作業療法を実践されていると思います。
日ごろ教育部は、OT協会が取り組んでいる生涯教育制度(2013年改訂)に基づき各種研修会を運営および単位認定、臨床教育検討等を担っておりますが、今回は生涯教育制度をより身近なものとして、またみなさんのキャリアアップに活用していただこうと思い、現在の制度改定についてポイントを絞り、情報を提供したいと思います。
生涯教育制度改定の構造図を示します。
ご存じのとおりOT協会では、作業療法士の質保証と社会的地位向上を目的に認定作業療法士制度、専門作業療法士制度を創設しました(資格認定審査)。
改めて認定作業療法士等のキャリアアップを目指すためのステップを示します。
ステップ① 資格取得約5年までに「生涯教育『基礎研修』」を修了
※「基礎研修」修了には、1~3が必要
1.現職者共通研修(10テーマ受講修了で基礎ポイント20p付与)
2.現職者選択研修(2領域以上)
:平成28年度OT協会入会会員からは、生活行為向上マネジメント
(MTDLP「基礎研修」)受講が必須となり、他に1領域を受講
3.基礎ポイント50ポイント取得(1の20pを含む)
ステップ② さらにその後約5年間の研修を経て「認定作業療法士」、さらに「専門
作業療法士」をめざす。(実務経験5年以上が必要)
OT協会では、研修会への参加のしやすさと生涯教育制度の進めやすさに研修要件を改訂しており、以下に例を挙げます。
「基礎ポイント50p取得のための有効期間を5年間超えても有効とする」
「現職者選択研修受講の際は、その都度基礎ポイント2p付与する」
「MTDLP実践者研修における事例検討会での発表を現職者共通研修の10。事例報告に読み替え可能」
「新入会員になる前の当該年度の研修会参加も認める」
など
教育部としては、みなさんがOT協会生涯教育制度を活用し、スキルアップできるよう取り組んでおります。基礎研修が修了された方も現職者研修(特に選択研修)に参加され、改めて作業療法を振り返り、明日からの作業療法実践に役立てていただければと思います。なお、選択研修生涯教育制度※に関する不明な点や個別の質問、ご意見等については、生涯教育推進担当者と連携し、お答えしたいと思います。県士会ホームページの「お問合せ」からご照会ください。
今年でOT協会発足から50年を迎えました。創成期の作業療法士の方々の熱い思いを引き継ぎ、対象者ひとりひとりやそのご家族、ひいては国民に真に認められ、期待される作業療法士をめざすためにも生涯教育制度に取り組んでいただけるよう、教育部として活動を推進していきたいと思います。(新規部員の加入も絶賛募集しております!)
※生涯教育制度(http://www.jaot.or.jp/post_education/shougai.html)
② 新任部長紹介
仙台青葉学院短期大学 熊谷 竜太
この度、庶務部の部長を拝命いたしました、熊谷竜太と申します。初めましてという方が多いので、簡単に自己紹介をさせていただきます。
養成校を卒業後、北海道のとある病院で精神障害領域の作業療法士として勤務しておりました。その6年後に自分が卒業した母校(旧仙台医療技術専門学校)の教職員になるために、仙台に舞い戻ってまいりました。現在、教職員になって5年目に突入し、人に教えることの難しさを日々、痛感しています。また、仙台南・名取ブロックの事務局として県士会の活動に参加し、様々な会員の方と「つながり」を持つことができました。そして、「つながり」のおかげで、庶務部の活動に参画させていただくことになりました。
さて、宮城県作療療法士会の庶務部は、
① 会員の把握及びOT協会会員管理システムでの会員情報一括管理のための情報整理などを行う「調査資料班」
② 理事会(常任理事会含む)運営及び理事会資料・議事録作成などを行う「会議運営班」
③ 庶務部活動に係る経費の処理の実施などを行う「会計係」
④ 定期総会議案書の発送などを行う「印刷発送関連業」
⑤ 入退会を管理する「賛助会員入退会管理」の活動を行っています。
これらの仕事を、庶務部の部員や事務所の事務員の方たちが各班や係に分かれて、責任をもって役割を遂行してくれています。とても心強い部員や事務員の方たちがそろっているので、新米部長として安心して仕事をまかせることができています。
会員の皆様の業務等が円滑に進むよう、庶務部として支援していきます。よろしくお願いいたします。
※現在、庶務部では、部員を募集しています。活動に参加して下さる会員の方の連絡をお待ちしております。
③ 福利部主催 会員向け
「肩こり・腰痛セミナー」を実施しました
福利部長 半沢 正道
会員の皆様、こんにちは。
さて、例年会員向けの新人歓迎会やレクリエーションを実施している福利部ですが、今年は新たな試みとして、 2016年7月30日(土)に東北文化学園大学にて、会員向けの「腰痛・肩こりセミナー」を無料で開催しました。講師は西仙台病院の山田孝弘氏でした。日々の作業療法業務を遂行するにあたり、セラピスト自身も心身の健康状態を保持しながら勤続することは重要なテーマだと思います。そこで、領域を問わず業務の支障となりやすい腰痛・肩こりの予防や対策についての理解を深めることは、会員の福利厚生にもつながると考え企画いたしました。今回の参加者は13名で概ね20~30代で身体障害、老年期、精神障害領域からご参加いただきました。
アンケートでは「役に立つと思う」「大変満足した」の回答が多く得られました。今後の業務に活かしていただければ幸いです。
福利部では今後も様々な企画を練っていきたいと思います。また、「一緒に活動してみたい!」という会員も随時募集中ですので宜しくお願いいたします。
④ 第50回日本作業療法学会に行ってきました
東北医科薬科大学病院 三浦 南美
今回私は札幌市で行われた第50回日本作業療法学会に参加させていただきました。
会場はJR札幌駅からタクシーで5分程のところにあるロイトン札幌、ホテルさっぽろ芸文館・ニトリ文化ホール、札幌市教育文化会館の三ヶ所の施設で行われていました。徒歩でも20分程のところであった為、札幌市内を眺めながら移動することも可能でした。
会場周辺は学会へ参加されるスーツ姿の方で賑わっており、今学会の規模の大きさを実感しました。
会場内ではシンポジウム、口述発表、ポスター発表など各会場にて行われていました。その他には機器展示コーナーにてスタンプラリーが行われており、とても賑わっていたように思います。
私が本学会に参加するのは今回が2度目であり、初めての参加は作業療法士1年目の時でした。当初は作業療法士の偉大さに只々圧倒されていましたが、4年目となった今回は自分が学びたい分野や日々の臨床での経験を意識しながら参加することができ、ほんの少しばかり自分自身の成長も感じることができました。
終わりに、今学会からスマートフォンアプリを導入したプログラムが配布され、スケジュール管理が行いやすく、学会側からのお知らせも随時受け取ることができ、状況が把握しやすかったと感じています。運営者の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。本当にお疲れ様でした。
⑤ ◆職場紹介◆ 特定医療法人 松涛会 南浜中央病院
髙野恭平
今回、職場紹介ということでお話を頂き担当させていただきます、南浜中央病院作業療法士の髙野です。当院は今年で四十周年を迎え、今後も益々の発展を目指し、活動を続けておりますが、それらについて、一部では有りますが、ここで紹介させていただきます。
【病院紹介】
名 称:特定医療法人松涛会 南浜中央病院
開 設:昭和51年9月1日
理 事 長:高階 憲之
総 院 長:牧尾 一彦
院 長:玉垣 千春
職 員 数:120人
診療科目:精神科・内科・歯科
ベッド数:
医療設備:CT、X線、エコー、透視、心電図、脳波
認定施設:精神保健指定医 医療観察法通院施設
【作業療法士の配置】
・精神科作業療法:担当スタッフ(OTR3名、OTA1名)
・認知症デイケア:担当スタッフ(OTR1名)
(他スタッフも、活動時には都度介入している)
・精神科認知症治療病棟:担当スタッフ(OTR1名、OTA1名)
それぞれの部署で配属先がまちまちであり、各部署で様々な活動を展開中。
【診療部作業療法科の紹介】
各部署で作業療法士が活躍しておりますが、その中で、今回は私が所属している診療部作業療法科について説明させていて頂きます。
作業療法科は今までスタッフが定着せず、ここ数年は、中々安定した活動や、患者様との関わりが持てずにいました。一時は、私一人となり、同クオリティの作業を日々提供し続けるために、業務改善を繰り返しながら、毎日を送っておりました。しかし、患者様に提供する作業は、マイナーチェンジを繰り返してはいましたが、方法の定着化と、基準作りのために、大枠は変えておらず、「マンネリ化」と言った声も聞かれてしまう状態でした。「マンネリ化」と言えば聞こえが悪く感じますが、取り方によっては「一定の活動を提供し続けている」という、組織維持の観点を重視した形であると捉えることも出来るかと考えます。結果、その定着化が功を奏し、新たに入ってきてくれた素晴らしいスタッフたちとのやり方の共有や、新しい活動への発展が円滑に進められたようにも感じます。
次号に掲載される私の記事“日々の「マンネリ化」を感じている皆さんへ”が、同じように「マンネリ化」や「日々の活動」に悩みを抱いている精神科の作業療法士の皆さんに少しでもお役に立てれば幸いです。
⑥ ◆つぶやきコーナー◆ 老いの構え
宮城厚生協会 山根 佳子
身内が介護を必要とするようになり、1年以上が経つ。老いと進行性の病に、次第に動けなくなり、介護するのも重労働となってきた。当人の後ろ向きな態度に苛々を募らせ、つい叱咤激励し、身内が老いるという現実を受け入れられないでいる。
そんな日々、何気なく過ごしてきた自身の生活の場が不自由になってきたことに、ある時気が付いた。それは、地下鉄の階段であったり、家の棚と棚との隙間であったり、‥全く意識に上ることなくこなしてきた日常で、多少の時間や集中力を使うようになり、失敗も多くなった。そして、半年程前、手すりに左肘を強打し、猛烈に痛い思いをした。かなり勢いよく動き、自分の動く空間を見誤っての事故、ついにやってしまったと、強いショックを受けた。さらに、日が経つ程に痛みは増し、日常もままならなくなり、ようやっとで受診した。「上腕骨外側上顆炎、いわゆるテニス肘です」、といわれ、あーそうか、テニスはしてないけどやっぱりそういうのか‥と変なことを考えたものだ。薬と自分流リハビリを続けるうち、ようやく痛みが治まり、日常生活も多少は楽にこなせるようになった。自身で動ける範囲やどう動けば無理がないのか、経験と学習で大まかはわかるようになった。自分のことというのは気が付きにくく、できなくなることを受け入れるのは容易ではない。痛い目に合うというのは、現実を、自分を受け入れるための一つの術となるらしい。
それにしても、痛みを忘れ、安楽に眠れたり、おいしくご飯が食べられたり、温かい湯船に身を委ねられたり、日常に心地良さを感じられることがどれほどありがたいことか。Quality of Lifeの本質はこういうところにあるのかと一人納得した。もし、自分が自身の日常をこなすのに人の手を借りなくてはならなくなったら、心地良さを提供してくれる、できれば上手な人の手がほしいと思うだろう。はたして、自分はそういう「人の手」になるだろうか、援助してくれる人の手に対して素直にありがとうといえるだろうか‥後者はNOかな。
編集後記
県士会ニュースでは今必要な情報を会員の皆様にお伝えすることはもちろんのこと、興味深い取り組みや様々な会員の声を紹介できればと思っています。つぶやきコーナーは、初めの頃は3年目や5年目のキャリアの浅い会員に、最近ではある程度キャリアのある方に日ごろ感じていることをつぶやいていただいています。読む人のその時の立場や気持ちで感じることが変わると思います。ホームページでバックナンバーも閲覧できますので、ぜひ読み返していただければ幸いです。川勝