目次
① 平成28年定期総会開催報告 … 畑中一枝
② ONE FOR ALL,ALL FOR ONE … 三浦晃
③ 生涯教育制度の一部改訂について … 紀國谷恵子
④ ◆職場紹介◆ さくらの訪問看護ステーション … 伊藤奈津美
⑤ ◆つぶやきコーナー◆ 義母と暮せば … 藤野あさ子
⑥ OTカフェで語りませんか? … 伊藤智之
① 平成28年定期総会開催報告
事務局長 畑中一枝
平成28年6月5日(日)に定期総会を開催しました。総会時の会員数は休会者を除いて787名となっており、会員数の増加と参加の利便性にも配慮しての会場の選定には毎年悩まされますが、今回は仙台青葉学院短期大学の長町キャンパスを初めてお借りしての開催といたしました。参加された皆様にはいかがだったでしょうか?
総会前には現職者共通研修「作業療法生涯教育概論」を兼ねた新入会希望者向けのオリエンテーションと、財務部による担当者向け会計説明会の開催も行い、当日の参加者数は120名、委任状の提出385通、計総会有効数は505名でした。今回の総会参加数は最近の総会開催としては多いほうではありましたが、全体の会員数から考えると15%(6.5人に1人)、総会議決行使率は69.8%となります。
今回の総会では、役員任期に係る項目等についての定款の改定も承認されております。これは法務局からの指導によるものですが、この改定により、役員の選挙方法がこれまでとは異なる形になります。具体的には、これまでは「会長」「副会長」「理事」「監事」にそれぞれ立候補、投票となっておりましたが、今後は「理事」と「監事」のみの立候補、投票となり、選出された理事の中から互選にて「会長(代表理事)」「副会長」「常任理事」を選出するかたちになります。次回の選挙は来年度の予定となっていますので、今年度中に選挙に関する規程も含め定款施行規則等関連規程の修正を進めていくことにしています。
また、今回の総会に併せ、広報部で公募していた県士会キャラクターについて会員の皆様に投票していただいておりましたが、応募作品の中に他社のキャラクターと類似しているものがあるとの指摘があったため、今回の投票は無効とさせていただきました。今後の対応としましては、指摘のあった作品を候補から外すことと、その他の応募作品についても類似品がないかの確認を行った上で、12月に開催予定の県学会時に再投票を行うことといたしましたので、会員の皆様には大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解とご協力をお願いします。
県士会の活動は「県民の保健・医療・福祉の充実及び向上に寄与するため、作業療法士が学術研鑽、技能の向上に努め、リハビリテーションの普及発展を図る事を目的」としています。会の運営を活発にしていくためには、会員個々人の皆さんの協力が必要です。総会では、今年度の各部署の活動計画と予算案も承認されておりますので、参加されなかった会員の皆様にも総会議案書の内容の確認の上、今後の活動への協力をお願いします。
② ONE FOR ALL,ALL FOR ONE
企画調整局地域支援班 班長 三浦晃
「生活行為向上マネジメントができる作業療法士に担当をお願いしたい」
「作業療法士は、心身機能を含めて、活動と参加への支援のプロセスを分かりやすく助言してくれる人」
ある県における居宅支援事業所、そして地域ケア会議メンバーからの声である。
昨今の医療・介護・障害・福祉に関する施策の風向きは、地域包括ケアシステムの構築の方向へと、その勢いを強めながら吹いている。この風に乗って、冒頭の話は聞こえてきた。…心が震えた。何故ならば、そこにOTの未来のために汗を流す「あの方々」の姿が浮かんだからだ。
作業療法士以外の方々が、“作業療法”を理解し、自立支援の手段として求めるに至った背景は何だろう?まずは、この現象を紐解くことが大事だ。きっと、“作業療法”が実践できる作業療法士と出逢い、その効果を実感したからではないだろうか。言葉では伝わりにくい“作業療法”の魅力を伝えるには、実際に“作業療法”に触れていただき、その効果を実感してもらうことが大事ではないだろうか。地域包括ケアシステムの構築に作業療法士が貢献していくには、何にも増して、より多くの方々に“作業療法”に触れてもらうこと。これに尽きるのではないだろうか。
このように考えると、作業療法士一人ひとりが取り組むべき3つのアクションが見えてくる。①作業療法が実践できるスキルを学ぶこと、②地域のさまざまな方々と接点をもつこと、③その方々に作業療法の思考や実践に触れていただくこと、である。そして、このアクションの延長線上には、いたる地域で作業療法が積極活用されている未来像が見える。
ご存知だろうか?この「作業療法が積極活用される地域づくりプロジェクト」は、すでに県士会として発動している。平成27年度の半ば、県内の各市町村における地域包括ケアシステム構築に貢献すべく、地域支援班は発足した。平成28年度を迎えるにあたってメンバーを募り、“作業療法が必要とされる地域づくり”のための2ヵ年戦略を策定し、「地域包括ケアシステムおよび地域ケア会議」「介護予防・日常生活支援総合事業」「認知症初期集中支援」「生活行為向上マネジメント」の4つの推進チーム体制で活動中である。新人から大ベテラン、そして理事4名を含む総勢45名超の仲間が生む相乗効果を推進力に、着実に前進している。
「地域包括ケアシステムと作業療法士の関係を知りたい」
「作業療法ができる作業療法士になりたい」
…これは4カ月前、「私なんかがこの班に入ってよいのか…」と言っていた若手OTの言葉である。
「○○さんと一緒に仕事をして、私もOTになりたいと思った」
「私も母と同じOTになろうと思った」
…これは、大ベテランの先輩OTにまつわるエピソードである。
ここ地域支援班内・外での意味ある交流が、心の奥にある作業欲を引き出し、意味ある作業を生むという頼もしい化学反応が起こっている。
「作業療法の真髄って何ですか?」もしも、こう問われたとき、自分なりの言葉でちゃんと答えらえる作業療法士でありたいと思う。
基本的欲求の一つと位置づけられる「作業欲」を引き出し、その方にとっての“意味のある作業”をマッチングすること。この作業欲と意味ある作業とのマッチングによって、今ここにいる自分の存在を肯定できるように導き、元気づくり、健康づくり、やりがいづくり、生きがいづくりを、ともに行っていくことではないだろうか。
③ 生涯教育制度の一部改訂について(平成28年度改訂)
教育部長 紀國谷恵子
日本作業療法士協会生涯教育制度の一部改訂について、ご周知のことと思いますが、お知らせいたします。日本作業療法士協会ではすべての作業療法士へMTDLPの習得をより強力に推進することを目的に、その研修を生涯教育制度に位置づけられました。(協会が定める生活行為向上マネジメントの研修制度の構造を図に示します。)
<現職者選択研修>
修了には4領域(身障・精神・発達・老年)から2領域選択受講が要件だったものが、生活行為向上マネジメント(MTDLP)基礎研修が必修研修として新たに組み入れられた。
(2016年度以降入会の会員の現職者選択研修修了要件は、MTDLP基礎研修に加え1領域以上の選択研修を受講すること。2015年度までに入会の会員についても、現職者選択研修の修了の有無に限らず、MTDLP基礎研修の受講を推奨とする。受講時に基礎ポイント2Pを付与する。)
<現職者共通研修>
MTDLP実践者研修における事例検討会での発表が、一定の条件により現職者共通研修「10.事例報告に読み替え」が可能となった。
平成28年度生涯教育共通研修・選択研修の計画(案)
共通研修:例年連続する土日で開催しておりましたが、今年度は7テーマを2回に分けて異なる日程で開催します。
・第1回 10月下旬(3テーマ予定)
・第2回 11月下旬(4テーマ予定)
選択研修:
MTDLP基礎研修
・8月27日(土)、9月24日(土)、10月22日(土)、2月予定
老年期
・2月予定
④ ◆職場紹介◆ さくらの訪問看護ステーション
伊藤奈津美
【施設紹介】
株式会社さくらの「さくらの訪問看護ステーション」は、笑い声が聞こえる住み慣れたご自宅で「安心して、ゆったりと」過ごして頂きたいとの思いを抱き、平成26年8月にオープンしました。訪問リハビリは平成27年4月から本格的に開始しました。
《スタッフ》 看護師3名、准看護師1名、理学療法士3名、作業療法士1名、事務2名《業務内容》 ご利用者様のご自宅や有料老人ホーム・高齢者専用賃貸住宅等の施設へ訪問し、バイタルチェック、身体機能・ADLの評価と練習、環境調整(福祉機器の紹介・導入、家具の配置検討)などを実施。
《訪問地域》 仙台市、塩釜市、多賀城市、利府町、富谷町
《対象疾患》 脳血管疾患、骨折等の整形外科疾患、廃用症候群、認知症、悪性腫瘍、呼吸器疾患、神経難病(パーキンソン病、脊髄小脳変性症、筋ジストロフィー)等
《職場の位置》 ファミリーマート泉関場店の隣
【リハビリの紹介】
当ステーションにはPT3名、OT1名が在籍しており、対象疾患は脳血管疾患後遺症から神経難病など多岐にわたり、介護保険と医療保険では3:1程となっています。訪問範囲は仙台市を中心に利府町や富谷町まで幅広く訪問しています。
PTとOTの住み分けは特に行っていませんが、OTでは主に認知症がメインの方、高次脳機能障害のある方、福祉用具や住宅改修の必要な方への相談やアドバイス、動作練習、環境調整、自宅での運動指導等を行っています。
生活場面で具体的に困っていることをご本人様やご家族様と共有し、より生活しやすく、その人らしく在宅生活を送れるようリハビリテーションを提供しています。ステーション内には看護師とリハビリ職員が同室にいるため、訪問前後でコミュニケーションを図りながら業務を行っています。
〈住所〉
〒981-3111 仙台市泉区松森字関場26-1
TEL:022-375-1611 FAX:022-375-1612
URL:http://sakurano.sakura.ne.jp/inde
⑤ ◆つぶやきコーナー◆ 義母と暮せば
松島医療生協 まつしまの郷 藤野あさ子
ウチには、義母がおります。
夫の母、いわゆる姑ですが、ご縁があり一緒に暮らすこと十数年になりました。
なかなかの天然さんです。
下の子が小学校の頃、公園で逆あがりをしている我が子を見て、私もしてみたくなりました。この時、ワタクシ30代後半!結果は、惨敗。あまりのショックに帰宅するなり義母に報告すると「あら~」と。次に出た言葉が
「じゃあ、ばあちゃんも出来ないべか?」
デキナイサ、アナタ、ロクジュウスギテルヨ
義母は私が料理を作っていると、隣に来てじっと見ます。私がいない時、代わりに作れるようにとの配慮からなのですが、嫁としては、じぃ~っと見られて良い気はしません。もう同居して十年過ぎたしと、思い切って言ってみました。
「ばあちゃん、私も嫁だから、お姑さんにこんなに見つめられるとなぁ・・・」
すると「あら、私、姑じゃないから大丈夫」と。次に出た言葉が
「ばあちゃん、お友達だから!」
オトモダチ ダッタノカ~
数々の伝説を持つ義母ですが、私の事をとても可愛がってくれます。仕事にも理解があり、藤野家の主婦として一生懸命です。私といえば、お陰様で震災以降の多忙な毎日を男らしく過ごし、夫には「おまえ、そのうちヒゲが生えてくるんじゃない?」と、言われております。
我が家では、義母の意見が一番です。自然とその様に出来ています。ナゼカシラ・・・?それはやはり「信用」だと思います。
彼女は、主婦という客観的に評価されにくい業務を手抜きする事なく全うします。自分が決めたルールを決して曲げず、365日営業です。そこには信頼と実績、何より愛情があります。「彼女のいうことなら、まず間違いない」いつも、そう思っています。
若い頃は、自分を理解してもらうための「表現力」や「説得力」が欲しいなぁと思ったものでした。もちろん今も思いますが、それだけではない様に感じます。 毎日を誠実に生きていれば「多くを」そして「上手に」語らなくとも何かがついて来るということを教えてもらいました。私のああでもない、こうでもないと悩みながら走る様を見て「この人、間違いないな・・・」と思っていただけるお仕事がしたいものです。
⑥ OTカフェで語りませんか?~OTカフェのご案内~
事業部長 伊藤智之
OTカフェは、今年度から始まった新しい企画です。
同じ領域で働くOTが集い、語ることで日ごろの悩みや相談ごとを共有し、
明日へとつなげる場です。経験年数は問いません。
今回は精神科領域で働いている もしくは 精神科領域に興味があるOTを対象に行います。第一部は、フィンランドへ視察に行った手代木先生からの「オープンダイアローグ」のご報告、第二部は、ゆったり、お茶を飲みながら、日ごろの思いを語る時間です。
あなたの語りが、仲間のヒントになるかもしれません。
仲間の語りが、あなたの力になるかもしれません。 ぜひ、参加してみませんか?
記
日 時 平成28年7月23日(土) 14:00~16:00(受付 13:30~)
会 場 東北保健医療専門学校
仙台市青葉区花京院1-3-1(JR仙台駅から徒歩5分)
対 象 宮城県作業療法士会会員で精神科領域にお勤めの方、
精神科領域に興味がある方
内 容 第一部14:05~14:35「フィンランドオープンダイアローグ視察報告」
講師 宮城県立精神医療センター 作業療法士 手代木 理 先生
第二部14:45~15:50「OT語り場」
少人数でのグループワークを予定しています
会 費 500円 *生涯教育ポイント2ポイント
申 込 メールにて 件名「OTカフェ参加申込」 本文①氏名 ②会員番号、所属
③経験年数 ④懇親会参加の有無 を記入しotjigyou※yahoo.co.jp に送信してください
締 切 平成28年7月19日(火)
お問い合わせ 金子 愛(鹿島記念病院)0225-73-2420 a.kaneko※kaihokai.or.jp
*メールアドレスは※を@に変えて送信してください
*当日17:00より、仙台駅周辺で会費4,000円にて懇親会を予定しています。
懇親会からの参加も可能です。
編集後記
2016年も残すところ半年となりました。歳を重ねるたびに1年、1ヶ月、1週間、1日がすぐ過ぎ去ってしまうように感じ、厄年もあと半年かと思うと、なんとか無事に乗り切れるような気がしています。慌ただしい日々でも、ただなんとなく過ごしてしまわぬよう、自分の中の長期目標や短期目標を見直し、残りの半年を有意義に過ごしていきたいと思います。義野